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'12 Oct. 03 7:52 PM

19年と20日を共に

本当に辛いです。

It continues here.

大学を留年し、学生だけの下宿に居づらくなって
競売物件の事務所に無理やり引越した俺。

バブルがまだ全盛で、でも留年した俺には就職する当てもなく、
熱い夏を過ごしていたんだ。
どう過ごしたか、今では覚えていない自分の誕生日が過ぎ、
やはりさみしかったのかな。

横浜市のタウン誌、『ぱど』で飼い主募集の欄を見て
何となくほしいと思って連絡したのが始まりだったね。

買い物網に入れて、まだ手のひらサイズ。
生まれて4〜5日という状態の君はまだ目も開いておらず
猫の飼い方もよくわからず、おどおどと
スポイトで水をあげたのが19年前。

女の子なのに何故か大好きだった俳優から取って
「ゆうさく」って気軽に名付けちゃったけど、
病院ではさすがにちょっと恥ずかしかった。
ひょっとしてそれについてはずっと怒ってたかな?

社会人になってからの俺をずっと見守ってきてくれたね。
5度の引っ越しを共にし、後から後から新しい猫が来て
まぁ、たまにはすごく怒ってた時もあったけど、
それでもみんなと仲良く、やってくれたよね。

俺に妻ができた時はさすがにびっくりしたべ?

学生時代の最後の方からずっと俺のこと見てた君には
まさか俺についてきてくれる女性が現れるなんて
思いもしなかったでしょ?

たくさんの思い出が鮮明な記憶としてすぐに思い起こせるよ。

でもやっぱり一番すぐに思い出せるのは
冬必ず毛布の中に頭からずぼずぼと入ってきてくれて
横向きで寝ている俺のお腹でターン、そして腕枕にすっぽり。
そして寝返りを打つと体を乗り越えてまた腕枕にすっぽり。
そうやって毎朝起きるまで一緒に寝たことだな。

本当にたまらなくかわいかったよ。

初めて孫が遊びに来た時には説教してくれたんだよね。
孫が『ゆうさくさんが悪いことをしちゃダメって言った。』って言った時は
さすがにびっくりしたよ。

もっとたくさん話したかった。

もっとたくさん遊びたかった。

もっとたくさん・・・


最後の2週間はほぼ寝たきりになってしまったけど、
それでもたまに自分から体を起して水を飲んでいたね。

少しずつ呼吸がしっかりしてきて、
少しずつ食べれるようになってきて、
まだまだ一緒にいれる時間が続くって信じてたよ。

あの朝、俺が起きるのを待っててくれたんだよね?
いつもならまだ寝ている朝8時。

急に苦しみ始めた君に、俺は何もしてあげられなかった。
握った手がすごく苦しそうで、じっと俺のことを見て、
最後の声を必死で聞かせてくれたよね。

伝えきった満足なのかな。何であんなきれいな顔になったんだ?
もともとものすごくベッピンだった君だけど、
本当にただ寝ているようにしか見えなかったよ。


俺と一緒にいれて幸せだったかなぁ?
俺は本当に幸せだった。
出会えたことを本当に感謝しているよ。
まだ2日しか経っていないから、
いなくなった実感がまだよく理解できないんだ。

妻にはもう夢で会ったみたいだね。
やさしい君だからまずはっってことなのかな?
でもやっぱりちょっとさみしいよ。

俺もすぐにでも会いたいのに、どうして夢に出てきて
くれないんだい?

会いたいよ。本当に。

本当に悲しいよ。


日常に、普段通りの生活、仕事に戻らなきゃいけないのかな。
そうなんだろうけどさ・・・
でもさ・・・

本当にまだ頭の中に大きな真空があるんよ。

そこを何で埋めていけばいいのかがわからないんだ。


でもしっかり頑張るよ。
うまいこと言えないけど、残ったチョビとジュニ、
妻と俺、みんな仲良くやっていくよ。

そっちには2年前に先に行ったブンとウニが待ってるよ。
二人とも特徴ありすぎだから、多分もう会えてると思うけどね。


たまには顔出してな。

本当に今までありがとう。本当にありがとう。

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