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'07 May. 24 11:58 PM

Easy come, easy go.

 簡単に手に入れたものは、簡単に出て行ってしまう。

It continues here.

 先日のことでした。店内にお客様が一人という状態に、別のお客様が入ってきました。

 なんでも、昼間にやったパチンコで大勝ちしたらしく、えらく上機嫌。当バーに来る前まで一緒に飲んでいた人にタクシー代まで渡したと、初めて顔を合わせたお客様にも機嫌よく話しかけ、店内はしばしそのお客様の揚々とした空気に満たされました。

 しばらくするとそのお客様の様子が激変。

 ・・・財布がない・・・

 まずは当店の中を隈なく探し、階段を下りてぐるりを探したり、直前まで一緒に飲んでいた友人に電話したり、ひどく狼狽。当然ですね。昨今財布を見つけた人が、届けてくれる可能性は少なく、カードでさえスキミングされることが、一般的とは言いませんが、あると聞きます。

 結局交通費もないということだったので、少しだけ援助して、肩を落として帰っていく後姿に、同情せずにいられませんでした。

 タイトルの翻意とは微妙に異なるとは思うのですが、ふとフレーズが浮かんだ日でした。

 それより数日前に、友人と食事をして、昼の仕事関係で、アドバイスをする機会がありました。以前ものを伝えるということの難しさについてこのブログに書いたのですが、その友人とはその議題についてよく話していたこともあり、私の伝えたいことは当然伝わったと思っています。

 私が今回考えたのは、伝える難しさではなく、伝わるからこそ生まれる責任でした。中途半端な、あやふやな意見をしたつもりはありません。だからこそ、その言葉には責任を感じます。

 簡単に身に着けた経験ではなく、一つ一つ積み重ね、崩れ、また重ねて。その繰り返しから来る経験にアドバイスを求めてもらえたことに、うれしさと責任を感じられたことが、また一つの経験となる。それが、

 Easy come, easy go.

 人に言葉をかけるということは、自分に説いていることと同じなんだなと、つくづく感じるここ数日でした。

 PS 財布は最近稀有な善良なる市民により、無事に無傷でお客様の手元に届いたそうです。まだまだ世の中捨てたものではないですね。

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